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野球と障害~今季 手術シリーズ②~

シーズンオフになると、アスリートの手術のお話が出てきます。

第二段は村山亮介捕手です。過日、関節鏡による右肘の滑膜切除およびスクリュー挿入術を受けたようです。(公式HP参照: https://sp.marines.co.jp/news/detail/00008471.html)

 ここからはご本人に直接取材したりはしておらず、あくまで手術名から私が勝手に考察しているだけの記事です。真偽のほどは定かではありませんので引用/拡散などはしないでください。

2022年育成4位のルーキー、地元幕張出身の高卒19歳捕手です。二軍でもホームランを打っており将来有望な若手パワーヒッター候補の選手です。

さて手術名、前回の河村に続きまた2つ手術名が並んでいます。分解すると①『右肘の滑膜切除』と②『スクリュー挿入術』です。

まず①から。

いわゆるクリーニング手術と言われるものです。関節鏡で関節内に増生した炎症性滑膜を切除し、そのついでに関節内に遊離している骨片や軟骨片も洗い流す手術です。炎症性滑膜は少しの刺激で出血しやすい組織です。そこを刺激しながら球を投げると挟まって痛かったり、場合により炎症を起こします。痛かったり度々炎症を起こすので辛ければオフの期間にそれらを除去します。術後の固定も炎症を起こさせないための固定ですので、1-2週間程度、そこから徐々に負荷をかけて行くケースが多いと思います。

そして②。

スクリュー挿入術です。文字通り金属のスクリューで骨と骨をつなぐ手術で骨折のときに行われることの多い手術です。

ではなんでしょう?

ここからは完全に推察です。

前日の試合もDHでフル出場(5打数2安打1ホーマー‼️)ですので急な骨折ではなさそうです。投げるのはしんどいけど打ったり走ったりはできる状態だったと推察できます。

で、結論。たぶん尺骨肘頭の疲労骨折です(推察ですが)。肘頭ってのは肘を曲げたときに後側に出っ張っている骨です(肘をついたときに机に置く場所)。

投球動作を繰り返すことによって上腕三頭筋の牽引力(引っ張る力)が、そこにかかって尺骨肘頭が裂け、尺骨本幹から剥がれる骨折です。肘を曲げるだけでも骨片間が離れる力がかかりますので、折れた骨同士をネジで止める手術が行われます。疲労骨折は一度の外傷で起こるのではなく、小さな骨折と癒合し始めてまた骨折と、繰り返してから見つかるので、保存的には骨癒合しにくく、スポーツするなら手術は必須になります。

術後、患側の腕は作業レベルで使うことくらいは痛み次第で許されます(痛かったらやめときーくらいで)ので、急性期はむしろ①の方で安静が長いくらいと思います。ただ投球となると骨癒合傾向が見られてからになるので、2~3ヵ月だろうなぁ。

しかし、昨今投手の投球制限などはしきりにいわれますが、実は捕手も同じだけ投げ返してるんですよね~しかも座ったまんま。場合により各塁までの牽制球まで矢のような送球をします。

19歳で滑膜切除、疲労骨折のついでの手術(それがなければ手術するほどでなかった)かもしれませんが、切除するほど滑膜が増えていたとおもうとなんだかなぁ…

最後にもう一度、この記事は個人の推察です。真偽のほどは定かではありませんので引用/拡散などはしないでください。

中川和也 拝