病院勤務医から開業医になって初めての年末年始が来ようとしています。
これまで社会人10数年間、12/31は日当直し元旦朝から病棟を回り昼に帰宅し帰省、を毎年続けてきました(2回ほど元旦24時がありましたが)。働いた病院はどこも年末年始の当直医の決め方は、『立候補』→『いない日はくじ引き』で決められていたので、大晦日立候補し、対立候補おらず決定でした。大晦日と元旦が外科の先生が当直になった場合、何かあれば電話、場合により呼び出し、になるくらいなら大晦日立候補で当直室でまったりしている方が心が安らぎます。患者さん側からしても、こんな日に病院なんかよほどでないと行きたくないでしょうし、特に夜になれば本当の救急疾患の方しか来られません。もっとも半分くらいの年は、日中緊急手術とか、年越しは救急外来か何らかの処置中でしたかね。
世の中では働き方改革とかで残業を減らしましょうと言っているそうですが、専門職には適応されないようです。医師の時間外勤務は最大でも年間1860時間以内(月平均でいえば150時間程度)、それ以上は産業医の診察を経て、応相談(許可が出れば働けるんかい!!)などとなっています。二次救急病院の整形外科医は、電話相談だけで済む事例が多いので内科や一般外科の医師に比べと残業時間が少なめではあります(電話待機だけでも手当が出るのが普通?)。
電話待機に対する手当、当直明け勤務、昼休憩の取り方、時間外労働、入院中の患者の急変や緊急手術への対応など待機日以外の呼び出し、問題点がありすぎて議論のしようがないのかもしれません。自宅にいなければならない時代よりはましですが、運転中や電車内、電波の届きにくい施設内にいるときには冷や冷やしていました。(多くの勤務医はそうだと思いますが)自己犠牲の精神で仕事をしてきたため、労働基準法などは勉強すると驚くことばかりです。
onとoffのない生活を続けてきて、初めてそれがはっきり分かれる年末年始になります。実家巡りで年始は終わりますので、連休もあっという間に終わるでしょう。お盆もそうでしたが、医師の仕事をしない事、長期休みに予定を入れることに罪悪感や恐怖心があります。
開業医の特徴の一つとして『休日のコントロールができること』と思います。土日の予定は直前に決めざるを得ない生活をしてきましたが、予定を立てるのが苦手であったので不自由は感じませんでした。offになれる精神にたどり着けるまでにも慣れが必要ですし、予定を組む練習も必要そうなので、その恩恵を授かれるには数年かかりそうです。
中川和也 拝