まじめな話①(11/27)では、問診で患者さんから自分が一番聞きたいことは『来たのが”今日”である理由』と『その痛みでどう困るか?』。
まじめな話②(11/29)では、『他人は痛みを共有できない』『問診票は理解するための橋渡し』。
という話をしました。そこで五十肩で例え話。
五十肩:整形外科ではよく見かける病気の一つです(肩関節周囲炎が正式な病名)。
我々世代から60歳代くらいまでの方で、心当たり無く片方の肩が痛くなったら四十肩五十肩、『そのうち治るやろ』と様子を見られるか、整骨院などで施術を受けて、事実いつの間にやら治ることも多い病気です。余程の痛みでなければ様子を見られるのではないでしょうか(寝られないほどの痛みでも1ヵ月以上我慢される強者もおられますが)。
五十肩の中も、時期や痛がり方によって治療は変わります。レントゲンでは正常であることが多く、撮影は正常の確認のためというニュアンスが大きいです(正常でなければ別の病名が付きます)。『どんな動作で痛いか』『生活で困る作業って何か』などの話から痛めてそうな部位を想像しながら、初めて肩を触ったり動かしたりします。つまり、見えない痛みの理由を話と手だけで考えることになります。
そして治療は、一番困る事を退治することから考えます。痛みの原因の根っこの退治は、週から月単位で時間がかかることもあります。
だからこそ、生活で何で困るかをくどく聞きます。生活で困る動作が判れば、(本当の痛さは判らないまでも)痛みを幾分は共有でき、治療の糸口が見えてくることが多いので。
と、まじめな話を3回に分けてしてみました。3回ともお付き合いいただいた方には大感謝です(全部で2500字以上…)。
まじめな話は肩がこる・・・ん?肩こりも見えないねぇ・・・
(注:一部の五十肩は超音波やMRIなどで可視化できる場合もあります。治療上必要と考えれば行います。)
中川和也 拝