コロナ禍と言われる世になって、たびたびオンライン診療の話を聞くようになりました。
対面診療では感染リスクが・・・感染を広げないためにはこれを進めるべきである・・・云々
# とりあえずオンライン診療のイメージってのはこんな流れなのかなっと個人的に思っています。
①スイッチ入れたらパソコンの画面に座った人が映り話と対面で問診する。
②検査などは別でどこかで成されて、我々であれば画像や血液、尿検査結果などを提示される。
③問診と検査結果から診断を付け治療方針を決める。
どこまでそうなのかは知りませんが・・・
前回の笑点の記事の最後で『マリンの応援もそうですが、いつになれば人目を気にせず密集できる世になるんでしょうね・・・ってか、そうならない、それを望んではいけないのかと思ってしまいます。であればそれ用に今後の生き方を考えた方がいいのかもしれないなぁと思い始める今日この頃です。そうなったらどうしよう・・・』で締めました。
・・・の理由はまさにここです。
医者になって一番初めに教えられることは『患者を診察させてもらう事の徹底』でした。入院だろうが外来だろうが、先輩医師の見学でも、受け持ち入院患者さんの診察でも、とにかくやり方を見て実際にやるように指導されました。特に整形外科の場合はその傾向が顕著です。外傷でも変形性〇〇症でも、概ね検査の前に触診で診断が付いて治療の道筋は頭の中では立っています。
そして、レントゲン撮るのは『まぁ、そんなもんやな』『お、意外と進んでいるな』『意外と大したことないな』といったことの確認や、『あ~やっぱりこれか・・・』と手術できる病院へ相談する算段を立てたり、『お、まじか・・・』と、非常にまれなものを見つけて、追加検査や専門医に相談に行ってもらったりします。
逆に言うと検査はなくても触って動きを見るだけで9割程度は診断と治療の道筋がついています。逆に検査と問診だけでは、診療能力はたぶん9割くらい落ちるでしょう。
ということで我々整形外科医は(内科的なことばかりする開業医であっても)直接触れるオンライン診療がなければ成り立ちません。
うーん、これからどうなっていくんでしょうか・・・生きている間にオンラインしか許しませんという世の中にならないことを祈ります。
また、オンラインでしか診れない整形外科医には私年取ってから診てもらいたいとは思えません・・・
中川和也 拝